HARD ROCKY'S CAFE −17−

rky.JPGのサムネール画像






ある昼下がり。

360度見渡す限りの地平線。


ひとつない真っ青な空とこぶし大の岩が転がる荒野は、
彼方でわずかにかすみながら接している。

生き物の気配はなく、辺りには膝丈ほどのやせた樹木がまばらに生えているだけだ。

真上から照り付けていた強烈な太陽も幾分傾き、その一つ一つに陰ができている。


道は大地にアスファルトを敷き詰めただけのただの盛り上がりでしかなく、
コンパスの針のようにまっすぐ西にのびている。

砂を含んだ生暖かい風が頬をかすめる。

後方には数軒の集落が見え、その中のひとつは縦長の看板が高く伸びている。
この半月ほど泊まっているモーテルだとここからでもわかる。


折、表を大型トレーラーが走り去り、そのたびに轟音が店内に響く。
カウンターは6席しかなく、脇にはビリヤードが3台あり、
一番奥の台でポール・ニューマン風なのがバーボン片手に一人コツンコツンやっている。

暗くてはっきりしないが、その奥は小さなホールになっているようだ。
ここは昔ダンスホールだったのかも知れない。

天井にはプロペラのようなファンが音もなくまわっている。

カウンターの離れた席に座った初老の男がしきりにマスターと話し込んでいるが、
時折「GEORGE...」とわずかに聞こえるだけで、内容まではよくわからない。
たぶん現大統領の話ではなく、息子の話でもしているのだろう。


づくと3本目のバドワイザーを空けていた。

大陸の人はこの酒を「あんな水みたいなもの、とてもビールとはいえない」というが、
喉がやけるように乾くこの地でこれ以上うまいビールがあるだろうか。

マスターが新しく持ってきた少しぬるいバドワイザーを口に運びながら、ゆっくりと時間が流れていく。


刻過ぎると、どこからともなく車を乗り付けて一人また一人と客がやってきた。

注文するのは決まってバドワイザーだ。
一日の労働から解放された屈強な男は、一杯目を一気に飲み干すとすぐ次のを頼んでいる。

頭の中でフォースターのメロディーが流れる。

にわかに店内が賑やかになり、そろそろ宿に戻ろうと思った。


のとき、静かに戸が開き一人ladyが入ってきた。
自分より同年代かやや年上だろうか、めずらしいなと思ったが誰も気にとめるものはいない。
きっとなじみなのだろう。

最後の空き席になっていた隣に「ここいいですか?」とたずねながら、私が答える前にすでに座っている。

彼女もまるで他に飲み物がないかのように、バドワイザーを飲み始めた。
そして2,3杯飲んだあたりでポツリポツリと話しかけてきた。


初の夫とのハネムーンが東京だったこと。


旅行好きだった彼と世界中を旅したこと。
しかし、不都合があって離婚したこと。
そして最近二人で飼っていた犬が死んでしまったことなど。

とりとめもない話が延々続く。


んな時。
途中から飽きて、話半分に聞き始め、自分が子供時代「ホラーボール」を集めていたことを思い出していた、
ちょうどその時。

不意に「ねぇあなた、趣味はなんなの?」と聞かれる。

人生なにがあるかわからない。
予期しないことだって充分起こりうる。



NY Walker飛田給に対抗してカントリー風にしてみましたが、
僕はこんなシチュエーションにいつなんどき遭遇してもどぎまぎしないように、
「コーヒー、街ぶら、ブラッシング(歯磨き)」というせりふを用意しています。

特に白い歯はさわやかメッセンジャーには必須アイテムなので、風呂につかりながら30分以上歯磨きします。
そして半年に一度のクリーニング。

この週末盟友デクもクリーニングしたらしく、朝から歯磨きネタで盛り上がってしまいました。

磨けてるようで意外と磨けてないのが歯磨き。
気分転換に歯石チェックはいかがでしょうか?

Text No.1225 ロッキー


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