Vol.1 CMWC2008 in Toronto 2008:07:18:17:00:00

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ブリンでの世界戦から約10ヶ月、あっという間に時は過ぎ、トロントでの大会が近づいて来る。
時期的にはいつもより早いが、旅費が一番押さえられる時期でもあった。
といっても石油の高騰は止まらず、もろに影響を受ける事になる。
チケット自体は7万程、だがサーチャージで5万もかかり結局往復で12万円。
複雑な気持ちは否定できなかった。

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年のT-servからの参戦者はにっしーさん、ダニエル、ジュリ、タオオルテガ、そして僕の6人。
オルテガとダニエルは世界戦は初めてで二人ともトロントへの意気込みはかなりあったと思う。

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年は宿もチケットもすべて自分で手配したが今年はダニエルにチケットを、
オルテガに宿の手配をお願いする事にした。結果的にその選択は正しかったと思う。


ロントまではエア・カナダの直行便で約12時間、体力勝負のフライトになる事は間違いなかった。

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ュリとタオ君は別でチケットを手配していたので二人とは現地で落ち合う事にした。
残りの四人と横浜のクリオシティのメッセンジャー、殿下くんといざトロントを目指す。


ライト2時間前にチェックインロビーに集合、みんなゴロゴロとどでかいケースや段ボールに自転車をばらして詰め込んで来ている。

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僕は相変わらず輪行袋、出来るだけ荷物を軽くしたかった。
カメラの機材と自転車の相性は良くない。毎年軽くしたつもりでも結局は涙を飲む。

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ウンターでチケットを発券してもらいいざ搭乗ゲートへ向かう。
機内に乗り込みまずホッと一安心。ぼーっと外を眺めているうちにエンジン音が鳴り響く。

『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴー!!』

飛行機が陸を離れる瞬間を肌で感じる。
僕はこの瞬間が何よりも好きだった。

日本を離れいざトロントへ。
新しい旅が、新しい物語が今始まった。

Text & Photo No.974 モンモン

Vol.2 そしてトロントへ 2008:08:01:17:00:00

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距離のフライトの中、やる事と言えば、お決まりだが音楽を聴くか映画を見るか本を読むかしかない。
とりあえず時間をつぶす事に専念する。

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中、窓の外から見えたアラスカ近辺の氷河が広がる風景には圧倒された。

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界は広い、自分の知らない景色は五万とある。
世界戦に参加する事も楽しみだが、毎年新しい風景に出会える事も旅の醍醐味である。


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12時間のフライト時間は終わってみるとあっという間だった。

飛行機の高度が下がり始め、窓の外にはカナダの街が広がりぐんぐんと近づいてくる。
着陸の瞬間もまた轟音が鳴り響き、僕らは無事トロントのピアソン空港へと降り立った。

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潔感のある大きな空港内、成田空港と比べても遜色はない。


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国ゲートを苦戦しながらも通過し、自分たちの荷物を回収する。
自分の荷物の無事を確認するまで決してホッとはできない。
なぜか毎年そういう思いになる事が必ず起きてしまうからだ。


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とかみんな荷物の無事を確認し、市内へと向かう。
まずはダウンタウンにある宿『スイートハートB&B』へ行くためにバンタクシーを拾い、
ドライバーに宿の住所を伝える。

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・・・が、いまいちわかってないらしく、しょっちゅう地図を見返している。



の中心へ近づくにつれて高層ビルが目立つようになり、
トロントのシンボル・CNタワーが姿をあらわした。

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でかい。でかすぎる。

今では世界2番目のようだが、東京タワーの比ではない。
街のどこへ行こうとこのCNタワーが見える。
街を知らない僕たちにとって重要な目印になってくれそうだ。


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クシーの中からぼーっと街並を眺めていると、ふと東京にいる錯覚に陥る。
トロントと東京。遠く離れてはいるが、何か似ている気がして少し落ち着いた。


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Text & Photo No.974 モンモン


Vol.3 トロントシティ ナイアガラの滝 2008:08:08:17:00:00

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ルテガが予約してくれた宿につくと、オーナーの日本人女性が出迎えてくれた。
ここのホテルがまたメルヘンチックで素敵なところ。


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「地
球の歩き方」に も載っている有名な宿で、日本人観光客の間では一番評価が高い。
メッセンジャーには不似合いかもしれないが、とにかくいろんな面で安心できる最高の宿だった。



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宿で一息ついて自転車を組んだ後、僕らはジュリと合流し晩御飯を求めて街へ繰り出した。


回の旅のカイドをしてくれたのが、ここトロントに留学中のみっちゃん。
このみっちゃんのアドバイスもあって、旅そのものが楽だったし、何より精神的な余裕があった。
本当に感謝した い。


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ロントで飛び入りで入る店はだいたいまずい!というみっちゃんの経験からのアドバイ スで、
僕たちはみっちゃんお勧めの中華料理屋へ。


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べきれないくらい大量に料理を注文し、僕らはトロントでの再会に乾杯した。


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朝、僕らは少しばかり早起き をして、あらかじめ予定していたナイアガラの滝へと向かった。
やっぱり世界一は抑えておきたい。

当初は自転車でいけるのではないかとも思ったが、それは無謀な計画だ。潔くバスへ乗り込む。
トロントの市内からナイアガラの滝まではバスで二時間以上かかり、決して近くない。

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スの中から景 色をぼんやりと眺めながら、仲間としゃべりながらの二時間はあっという間だった。


着してまず目に入ってきたのが、安っぽいアトラクションや、ずらりと並ぶファース トフード店。
ただの外国の遊園地という感じで、僕にはとても魅力的とは思えない。

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的のナイアガラの滝への遊覧船に向かう。



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すが世界的に有名な滝だけあって、この遊覧船が大人気で10分 ごとに出る船はどれも満員。


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っくり進みだす船、ここから見るナイアガラはさすがの迫力。


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々に滝に近づくにつれ、水しぶきで視界が悪くなって いく。


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のうち、雨のようなしぶきが僕らを襲う。

どんどん近づく。


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・・・まるで嵐だった。滝なんて見えない。。。周りからは悲鳴が聞こえていた。。。


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さかここま で・・・とは誰も思っていなかったと思う。
カメラ用のカッパをしていたがそれでもかなり心配になった。

がて船が滝からゆっくりと離れると、乗客は1人残らずぶぬれだった。


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「こりゃないっしょ〜〜。。。。」みんなため息まじり。二時間バスにゆられてこの仕打ち。。。
トロントで唯一行った観光地。色んな意味でやられてしまったが、いい思い出(?)になったのは間違いない。


らは再びバスで二時間かけて市内へと戻る。
この日はナイアガラの滝のための一日になった。

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Vol.4 レジストレーション オープンフォーラム 2008:08:15:17:00:00

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朝、僕らは宿で軽く朝食をとった後、今回の世界戦のオーガナイザーが店長をしている
バイクショップ「ラカレラ」へ向かった。

そこでは無料で朝食が配られていて 多くのメッセンジャーがむさぼっていた。

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突にビールを渡され「そういえばこれが醍醐味だよな。。」なんて思いながら、そのビンビールを飲み干 した。

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りを見渡すと東京組はもちろん、去年ダブリンで会ったメッセンジャーとも再会、お互い喜びをわかちあった。

(メッセンジャー業界で)有名なERIC ZO(Zo bag主催)も現れて、
突然「たばこのHOPEはもってきたか!?」なんて言い出すなり「なんのこっちゃ??」と思いつつも、
カメラを向けるとまんまとふざけてく れる愉快なおじさんだった。
うわさには聞いていたけども本当におもしろい人だ。
Zo bag に影響を受けてかばん職人になる人もいるくらいの有名人なのに、
信じられないくらい気さくで楽しい人だった。


「ラカレラ」でまったりした後、僕らはレジストレーション(受付)の会場「スチームホイッスル」へと向かっ た。

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こはビール工場。

よくスポンサーになってくれたなぁと思いつつ、中へ入るとだだっ広くて、当然だがビールが飲める。


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日に引き続いてのレジスト レーションだったので人数はさほど多くはなかったし、
あっさり終わるだろうと思っていたのが甘かった。

中々前に進めない。受付のカウンターはすぐ目の前な のに、要領が悪いのかトラブっているのか。。。。

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かにスタッフの手際は良くはなかったようだが。。。

時間だけが流れていく。約二時間後、ようやくカウンターに着いたころ にはぐったりしてしまっていた。

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んとか無事受付を済まし、宿の近くで行われるオープンフォーラムへ向かった。

来年の世界戦の開催地は東京。そのためのプレゼンも行われるし、
自分も東京のメッセンジャーの一人としてどうしても見ておきたかった。

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IFBMA(International Federation of Bike Messenger Associations)の主要なメンバーが仕切り、
みなまじめにIFBMAやCMWCについて話し合う。
僕たち日本人のメッセンジャーも、会場 には足を運んだものの、
みんなそれほど英語を話せるわけではないし、ましてや意見することは難しい。

黙って聞いていることしかできなかったが、来年東京で開催する側として、
このオープ ンフォーラムに参加する意味は大きかったと思う。

大切なのはそこに居ることだと思う。それでないと始まらない。

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はいえ、そこに居るだけでも何も始まらない。
東京組も来年のプレゼンや5 月にお台場で行われたミックスプレッション(完全クローズのMSGRイベント)
の報告をする。

来年、東京で世界戦を行うということに誰も異議はなかった。
それどころか、みんな東京を待ち望ん でいるのだ。

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の世界戦中にオープンフォーラムは二回行われるが、そのうちの一回が終わり、
とりあえずみんな安堵した様子に見える。

そしてみんな「メッセンジャー」を 楽しむことに真剣なんだなと改めて実感した。


たちはそのまま街中の観光に出た。
トロントという街を僕はまだ良く知らない。
明日はいよいよメインレースの予選が始まる。

それぞれが不安と期待を胸に深い眠りについた。


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Vol.5 メインレースクオリファイ(予選)1 2008:08:22:17:00:00

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選当日。
僕たちは早起きをして朝食をとる。予選のスタートは予定では9時。
どうせ時間通りには始まらないということはわかっていたが、
一応時 間に間に合うように出発した。

場となるのはトロントの南に浮き立つ島、というかどでかい公園。
その島にはCNタワーから南に5分くらいの港からフェリーが 出ていたので、そこから向かうことにした。


にはとてつもない人の数、週末だからだろうか、ゲートに並んでいる行列はとてつもなく長かった。
「これに並ぶン かい!??・・」と一瞬思ったが、ゲートの端を見ると自転車専用のゲートがあり、
さらに僕たちにはレジストレーション時にフリーで
フェリーに乗れるパスをも らっていたので、
意外に待つことなく、すんなりと乗ることができた。

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ざ島へと向かう。フェリーから見るトロントシティの眺めは若干曇りがかっていた が最高だった。

徐々に島が近づいてくると同時に僕らはもちろんのこと、ほかのメッセンジャーたちも気持ちが高ぶってきている。


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から約15分、島に到着する とぞろぞろと自転車と一緒にメッセンジャーが出てくる。
その姿はまるで戦場に降り立つ兵士のようだった。

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日の夜の雨で路面は水浸し。一瞬ぎょっとし た。

り去っていくメッセンジャーを追って、僕たちも自転車にまたがりゆっくりとペダルをまわし始めた。

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りあえずはコースの下見をするつもりでゆっくりと 走るが、
チェックポイントはまだどこにも準備されていないし、スタッフらしき人も誰一人見かけることはなかった。

予想通り、予選開始は遅れることになりそ うだ。

コースは比較的フラットで起伏はほとんどない。去年のダブリンほどの衝撃はない。
みんな朝食を取り直したり、おしゃべりをしたり、コースを何 度も走りなおしたりと、ひたすら時間をつぶす。

それでも依然として始まる気配はなく、そうこうしているうちに、もうすでに昼の12時を回って いる。

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ループ1のスタート予定からすでに3時間。。。。毎年のことではあるし覚悟もしてはいるが、
やっぱりこれだけ待ちぼうけだと疲れてしまうのはしょうがない。

んな 中、数多くのスポンサーがブースを出展しているので見に行くことにした。

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段お店で買うよりも断然安い。商品の数も圧倒的だ。
どれもこれも欲しいものばか りだったが、今は我慢することにした。

写真を撮りながらスタートラインへ戻ってみると、すでに準備は終盤でグループ1の選手たちがぞろぞろと集まってい た。

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れでもすでに予定よりも4時間が経過。
苛立ちというよりは半ばあきらめに近い顔をした選手が居たのもしょうがない時間だった。

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Vol.6 メインレースクオリファイ(予選)2 2008:08:29:17:00:00

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ループ1のスタートの集合がかかったのは本来の時間から5時間強が経っていた。
 
半ばモチベーションが下がっていた選手たちも、いよいよ始まるとなるとみんなそれなりに険しい顔になっている。

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ェックポイントは公園内に13箇所。
マニフェス ト(オーダー表)は4枚あり1枚につき6箇所のピックポイントがある。

スタート地点付近にはディスパッチポイントと呼ばれる(僕らでいう西麻布事務所み たいな)ところがあり、
1枚のマニフェストが終わればここに戻り新しいマニフェストをもらう。

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までの大会と違うところは、スタートが一斉ではなく1人づ つスタートするタイムトライアル形式で、
自分でルートを組み立ててレースができるというところ。
スタートの興奮はいまいちだがこれはこれで新 鮮だ。

そして予選がようやく幕を開けた。

1人1人が勢い良くスタートしていく。
僕もスタートをある程度撮り終わると各チェックポイント、コースに出て写真を撮ることにした。

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転車をロックした後に川に浮かぶ橋を迂回しなけれ ばならないところや、
ビーチに続く砂浜を通って行かなければならないチェックポイントがあったり、
工夫を凝らしてあるのが写真を撮る側としても面白かった。

走ればもっと楽しめただろうと思う。


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んな楽しんでいた。
予選は本気の人もそうでない人もいろんな人がいる。
走りながも微笑を浮かべていた人は多い。


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ッセンジャーのレースは決して足が早い人が勝てるわけではない。
ルートの組み立て方、ピックアンドデリバリーでの無駄の無さが勝敗に大きく左右する。

普段の業務の姿勢、成果がもろに出るところが何よりもおもしろい。


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ルテガタオくん、ジュリ、ニッシーさん、ダニエル。みんな楽しそうだった。

僕はカメラを向けながら応援していた。みんな決勝に行って欲しかった。


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走する。ただみんな前だけを見てペダルを回していた。

誰かと争う以上に自分との戦いかもしれない。
自分を納得させるためにみんな走っていた。


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ースの途中クラッシュする選手も現れる。すさまじかった。

「ガッシャーン!!」

振り返ると2人の選手が倒れている。1人の選手は気にせず走り出したが、
もう1人の女性選手が乗っていた自転車は、フォークがぽっきり折れていてホイール も吹っ飛んでいた。
にもかかわらず、
全力で走り、届けるべき荷物をチェックポイントへドロップする。

「お、おいおい自転車これじゃあ続行は無 理だろ、、、、」

と思ったが、その人は近くにいた人から自転車を借り再び全力でスタート。。
その根性に、その姿勢に僕は度肝を抜かれた。

「ゲームだぜ、、、おい」

そのゲームに本気になれない奴は勝てない。
本気だからこそおもしろい。それは仕事も同じことだと思う。

NYでメッセンジャーをしているというその女性を僕は心からリスペクトしたい。
 
そしてそれぞれがそれぞれの思いでゴールする。
納得できた人もできなかった人も、明日の朝には結果が張りだされることになる。


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タートが大幅に遅れたせいでその日の終わりは遅く、明日に備え宿へと戻ることにした。

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Text & Photo No.974 モンモン
 
 

Vol.7 メインレースファイナル発表 カーゴレース 2008:09:05:17:00:00

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い体を起こす。メインレース・ファイナルの朝もトロントは快晴だった。
宿で朝食を取り、
いつものごとく自転車にまたがる。
Team T-servのみんなでトロントのシンボルCNタワーと一緒に撮りたかったので、
レジストの行われたスチー ムホイッスルに集合した。

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リコロールのジャージとこのトロントとの相性はよかったと思う。
青い空にジャージが映えていた。
 一生の思い出を、二度と戻らぬ時間を、カメラに収めた。
 
そして僕らはフェリー乗り場へ。選手たちは
毎晩街のどこかで宴をしている。
当然グロッキーなメッセンジャーもちらほら船の中に。
ファイナルの結果をみんな期待しつつ、口数はいつもより少なかった。
船から見るトロントの街は毎日その顔色が違う。飽きることなくその光景に見入ってしまった。
 
に着くと、僕らはまずファイナルの結果が張り出される販売ブースのエリアへと向かった。
その一角のCMWCテントの前に、選手 たちの人だかりができている。
みんな血眼で自分の番号を探す。
予選が終わった時点の手ごたえで結果は大体わかるが、どこまで足切りされるかは分からない。

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選結果が張り出されている。
Team T-servでファイナルに残ったのはジュリ、タオくん、そしてダニエルの3人だった。
ファイナルのスタートはカーゴレースが終わった後、14時くらいの予定だが、
その時間も当然当てにはならないのは分かっていた。
 

の定、カーゴレースも予定より1時間遅れで始まった。

僕は2005年のNYで初めて見て以来、このカーゴレースが好きになっていた。
何よりも、普段は見慣れないユニークな カーゴバイクと、
各チェックポイントでピックアンドドロップしなければならない荷物のデカさ。

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ッセンジャーはもちろん必死だが、観戦していてこれほど面白い レースはないと思う。
カーゴバイクに乗ったメッセンジャー達。
その中にはあのエリックゾーの姿もあったが、やる気があるのかないのか。。。

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性が乗っていたカーゴバイクは装 飾が施されていてなんともかわいらしく、
僕は何度もシャッターを切っていた。

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タート直後、まず驚いたのはそのスピードだった。
「早い、、早すぎるっしょ。。。」
普段 メッセンジャーが乗ってる自転車のスピードと変わらないくらい、むしろそれ以上??
の早さでカメラに捕らえることすら難しいぐらいだ。

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カい椅子や牧草の束??なんてものを真剣にピックしたり、
デリバリーする姿はなんとも滑稽で、ある意味フォトジェニックだったかもしれない。

断トツトップでゴールしたのはあのエリックだった。
 

ーゴレースに出場した全ての選手がゴールしたあたりから、空模様が怪しくなってきている。
決勝に残った選手たちは徐々にウォーミングアップを始め、段々顔つきが険しくなってきている。
 
しかし、ぽつりぽつりと降り出す雨。
去年のダブリンがふと頭をよぎり、レースの行方を暗示するかの様に雨は強く降り出した。


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Vol.8 メインレースファイナル1 2008:09:12:17:00:00

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ツリポツリと降り出した雨も、ファイナルレースが近づくにつれ徐々に強くなりはじめた。
予選の時のようにスタートの準備が遅れる事もなく、 スタッフの呼びかけで
みんなスタートラインよりも手前に自転車を並べ始める。
選手たちの顔色は様々で、それぞれの想いが顔に出ていたように思えた。

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ュリやタオ、ダ ニエルもスタートラインにつく。
去年のダブリンでは惜しくも4位だったcyclexのシノもまた、入念に自転車の位置をチェックし真剣な眼差しだ。


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ずは女子のグ ループがスタート。僕を含めた多くのカメラマンがコースの脇でカメラを構えポジションを取り争った。
予選とは違う一斉スタート。これがやっぱり世界戦 の迫力あるワンシーンだと思う。


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していよいよ男子グループにもスタートの合図が出された。
勢い良く走り出す。その目線の先は自分の自転車だ。
ファインダーの向こうは、ある 意味、戦場だった。


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べられた自転車にはロックがかかっているので、手際よく外さなければならない。
そして目の前をものすごいスピードで駆け抜けていく。
ファイン ダーをのぞきながら、撮影は至近距離でかなり難しい。
僕はレンズを選手に向け、ノーファインダーでシャッターを押す。
自分の感覚だけが頼りだ。

あっという間にスタート地点はもぬけのからに。
僕はすぐに次のチェックポイントへ向かった。

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選とは違う圧倒的な雰囲気。選手たちの顔に笑顔は無く、みんな前だけを見ている。
もちろんルールも予選とは異なる。
最低4枚のマニフェストをこなし、5枚目以降は下のタイムの選手は少しづつ足切りされていく。
最終的に残れる選手は20名程度、しかもこなさなければならないマニフェストの数は12枚。
この数は決して甘いものではない。
時間にすると約3時間くらいだろうか、かなりの持久戦になる。
もちろん体力だけで勝てるものではない。


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ェックポイントで待ち伏せしてカメラを構える。
そこに現れる選手たちのスピードや形相は凄まじかった。

「速い。。。。」予選とは格段に違う圧倒的な速さなので、
最初は至近距離でシャッターを押すタイミングが掴めなかった。

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度あがったように思えた雨も、再び選手たちに負けない勢いで降りだす。
しかしながくは続かず、あっという間に止んでしまう。
そんな気まぐれな天候は選手達を否応無く襲い、路面に水溜りが出来て滑りやすくなってしまい、
とても走りやすいコンディションとは言えなくなってしまっている。


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は写真を撮りながらもみんなを必死で応援する。
ジュリやタオくん、ダニエル。みんないい顔をしている。
 
雨に打たれながらも、ピックアンドデリバリーを繰り返す。
普段の業務でもそうだが、どんなに大雨が降ろうが預かった荷物を届けなければならない。

国は違っても同じ。外国人選手もまたみんなプライドを持ってゲームに挑んでいた。

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年も世界戦でチャンピオンになるのを目指し続けてきたシノ。彼の走る姿も眩しかった。
写真を撮りながら途中経過を聞くと、他の選手に比べ、
彼がマニフェストをこなすスピードはやはり圧倒的に速いようだ。

無駄な動きが全く無い。今までの経験と悔しさをバネに完璧な動きを手に入れたように見えた。

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しい時間が過ぎていく。
約1時間半くらいたった頃、世界中から集まったタフな選手達の顔にも苦しい表情が出始めている。
しかし何かに取り憑かれたかのように、ただただペダルを回し続けていた。

Text & Photo No.974 モンモン
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戦が繰り広げられるなか、この時点で足切りされる選手もちらほらと現れ始めた。
チェックポイントで撮影してると、ゆらゆらと走ってくるダニエルに会った。
どうやら彼も足切りされたようだ。
レース中ミスをしたらしく、相当悔しそうにしながらもみんなの応援に回る。


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ース終盤に近づくにつれ選手も減っていき、次にT-servで足切りされたのはジュリだった。
苦い顔があふれ出ている。
それでもかなりレース後半まで残ったのだが、ダブリンに続き、雨中の戦いで敗れることになってしまった。


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T
-serv最後の一人、タオくんはがむしゃらに走り続けていた。
チェックポイントでカメラを向けながら声をかけると、彼だけはいつも笑顔で返してくれた。
途中「足がつっ たー」なんていいながらも、そんなこと微塵も感じさせることなく走っている彼の姿に、
同じメッセンジャーとして尊敬せざるをえなかった。
だがレースも終盤の後半になると、さすがの彼も徐々に笑顔は消えていき、
ほとんど気力だ けで勝負していたと思う。

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切りによって、すっかり少なくなった選手たちが走る中、僕はゴール地点に戻った。
すでにゴールシーンを見ようと人だかりができている。
何かを暗示するように雲行きが怪しくなってきた。黒くて分厚い雲だ。
どこかのテレビ局と思われる人たちもスタンバイし始めている。
カメラマン同士のポジション争いも熾烈だ。
 

うこうしている内、一人の選手がゴールに向かって来ているのが見えた。
ガッツポーズをしながら満面の笑みでこちらに向かってくる。
彼こそ今年のチャンピオン、世界で最高のメッセンジャーだ!
見事その栄冠を掴んだのは、なんと僕たちの仲間、東京のシノだった!!
みん な感情を爆発させ、彼の元に駆け寄り、涙しながら手荒く祝福する。
もちろん彼自身も世界一の笑顔に熱い涙を流して、この瞬間を、
自分が手にしたものを噛みしめながら喜びを爆発させている。

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本人はもちろん、アジア人での世界チャンピオンは彼が初めて!!
そのうえ、何よりもシングルの固定ギアでの優勝者も史上初 めて!!ということで、
その場にいた誰もが彼を讃え、賞賛した。

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の瞬間が見れただけも、というか、この瞬間を見に、このトロントに来たんだと思う。
ここに来なければ味わえなかったこの感覚!
この先どれだけメッセンジャーを続けられるか分からないが、
東京のメッセンジャーとして最高の思い出が出来た事、
それを自分の記憶とカメラのファインダーの中におさめる事が出来た事を本当に誇 りに思う。

彼がゴールしたと同時に、その熱を冷ますように雨が降り始めた。それは徐々に強くなってきている。
 
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等がタオくんも足切りされずに見事走りきり、見事に12位でフィニッシュ!世界の12位だ!!
彼自身は少し悔しそうではあったが、最後はいつもの眩しい笑顔を見せてくれた。
 

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ての選手がゴールする頃には土砂降りの豪雨になっていた。カメラ用のカッパなんて意味がない程に。

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うして2008年CMWCメインレースの熱い戦いは幕を閉じた。
その場にいる誰もが、過酷なレースを走りきった選手たちを心よりレスペクトしているのが伝わってきた

定ではこの後スキッド競技がある。
さすがにこの雨じゃあ無理でしょと思ったし、他の選手も同じ思いだったらしく、
ほとんどの選手が島を後にしていた。
 
だが、どうやらスキッドの準備はされているらしく、予定通り始まりそうだ。
・・が、参加する選手は数人、観客もテントで豪雨をさけながら心配そうに遠目で見ている。

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加した選手は豪雨のため思わぬ方向に滑り、そして豪快にずっこけていた。
僕もがんばってシャッターを押したが、まともには撮れる状態ではなかった。

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うしていると、あっけなくス キッドの競技も終わり、今日のすべての競技が幕を下ろした。
 
れぞれの想いを胸に、みんなフェリー乗り場に向かう。
僕もまだ胸の高鳴りが収まらないまま、後に続いた。

フェリーが出港すると。さっきまでの豪雨は嘘のように止んで、
トロントの街の方を眺めると、僕らを労うようなきれいな虹がかかっていた。

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は見とれる間もなく、慌ててシャッターをきっていた。

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Vol.10 メッセンジャー・プライズ ー表彰式ー 2008:10:17:17:00:00

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砂降りの雨を浴びた体で、僕らは宿に戻りシャワーを浴びる。と同時に一気に疲れが襲ってきた。
おなかもすいていたので腹ごしらえをしたが、後に眠気が襲ってきた。これにはさすがに勝てそうもない。
プライズが始まるのは9時だったか10時だったか・・・そんなことを考えている間に眠りにおちた。
30分ほど仮眠をとった後でプライズの場所となるバーに歩いて向かった。

ーの周辺にはすでにとてつもない数の自転車。
バーはあまり広そうに見えないが、こんなところに全員入れるのだろうか・・・と、いらない心配をしながら2階の会場へ上がった。
すでに人がぎゅうぎゅうであまり身動きが取れなかったが、写真を取るためになんとか前へ移動した。

ープニング・ショーで1組のバンドがライブを始める。
30分ほどのライブが終わり、スタッフがプライズ開始の合図を出した。
みんなが津波のようにステージに詰め寄ってくる。僕は必死に踏ん張りながら、なんとか最前列へ乗り出した。

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ックワードやスタンディング、スキッド、カーゴレースなどの入賞者上位3名ずつが順にステージに上がる。
それぞれに豪華な賞品をもらい、会場からの拍手喝采を浴びている。

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にはほとんどの競技に入賞する強者もいる。
強者の名はジャンボ。デンマークのコペンハーゲンのメッセンジャーだ。

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品のメッセンジャーバッグをすでに3つ体にぶら下げている。
メインレースでも3位に食い込んでいる。
彼の名が呼ばれると、たまにブーイングが起こったのが面白かった。


年のCMWCメインレースのチャンピオンはもちろん我等がシノ。
彼がステージに上がると、もの凄い歓声が沸き起こった。

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年もトライして敗れ、悔しい思いをしていたのを自分も知っていただけに嬉しかったし、
何より1人のメッセンジャーとして尊敬している。

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年の開催地は東京ということもあり、歓声はいつまでも止まなかった。

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ライズ全体で2時間くらいだっただろうか、あっという間に時間は過ぎていった。
体の疲れはピークだったが、気持ちは爽快だ。宿に着くと同時に僕はベットに倒れこんだ。

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Text & Photo No.974 モンモン

Vol.11 旅の終わり 2008:10:24:17:00:00

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の日、午前中から二回目のオープンフォーラムがあるというので、僕たちは軽く朝食をとり、会場(といっても公園横のスペースだが)へ向かった。

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容は2年後の開催地候補のプレゼンテーションがメインだった。
ドイツのベルリンか南米グァテマラか。。。予想に反して多数の票を得たのはグァテマラだった。
そもそもそこにメッセンジャーがいるのか?どんなところで、何ができるのか?
疑問だらけでおもしろいとも思ったが、何とも言えない結果だった。

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ッセンジャーという人種を改めて確認したフォーラムも無事に終わり、
僕とニッシーさんはメインレースが行われた島へ後片付けを手伝うために渡った。

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くらが島に着いた頃にはすでにすることはほとんどなかったが、ゴミ拾いなどを積極的に手伝ってみた。
がらんとした島の公園に昨日までの余韻は全く残っていなかった。
 

び街に戻り、最後の観光も兼ねてニッシーさんとタオ君を被写体に街をぶらついた。

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日ということもあって、街はスーツ姿のビジネスマンが目立つ。
そして突然の雨も相変わらず健在だった。

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 ロントシティ、東京に似ていて活気があった。ちらほらとメッセンジャーの姿も見かけた。
彼らは街の風景の一部だった。

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たちは宿に戻ると最後のパーティーをした。

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ルテガが仕切ってくれたこのパーティーを僕は2度と忘れないだろう。
たわいもない話をし、酒を飲み、帰国の準備をし、最後の夜が更けていく。
 

の朝、バタバタしながら慌ただしく朝食を食べ、
お世話になった宿「Sweet Heart」の方たちに挨拶をして、記念に写真を撮った。

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から帰国するダニエルとミッちゃんが空港まで送ってくれた。

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港が近づくにつれ、少しずつ寂しさがこみ上げる。
1週間の滞在期間の余韻に浸る間もなかったが、思い出をたどれば本当に有意義な旅だったといえるだろう。
トロントの街に不思議な親近感を感じていた。

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りの飛行機はなぜだかビジネスクラスだった。予想外のラッキーな出来事は、
長く窮屈だったフライトを楽しい時間に変え、リラックスした時間を過ごせた。
12時間後成田空港到着。
トロントから東京。同じ大都市だったせいか、ずっと東京にいたような感覚にも陥った。
同じ時間を過ごしたみんなに別れを告げる。
「また街で。」
それがお決まりの挨拶。またこの東京を駆け巡る日々が始まる。

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年の世界戦は東京。果たしてどうなるのか。。。
トロントから帰国したばかりなのに、そんなことを考えながら帰路に着いた。

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