
町中を散歩していると、
世界戦が近づくにつれてメッセンジャーがよく目につくようになった。
ロード、ピスト、マウンテン。。。
様々な種類のバイクにまたがった世界中のメッセンジャーが確実に集まって来ている。
僕の胸は高まるばかりだった。

世界中にメッセンジャーは存在し、雨の日も雪の日も走っている。
普段業務に没頭していると気付かないのだが、同じように汗をかき、
荷物のタイムリミットを気にしながら、
必死で走っている連中が東京の僕達以外にもたくさんいる。

2005年にNYでの世界戦に初めて乗り込み、レースでの彼らの真剣な姿を見て、
国や言葉は違っても同じフィールドで共有できる世界があるという事を知った。
年に一度集い、走り、争い、飲み、語り合う。
他の業種では考えられない。
心を打たれた。これを撮りたいと思った。そして伝えたい。
"カメラマンとして" 以上に、"メッセンジャーとして"
何よりも、また一緒に走りたかった。

世界戦を機にお互いを知る。
勝ち負けの世界ではない(もちろん勝負に全てを賭ける者もいる)。
"集う"という事がそれ以上に大事なのかもしれない。
「また来年も会おう」そして輪は広がり、それがこの仕事への糧となる。

Text & Photo No.974 モンモン